「一日って…!やっぱり、危険なんじゃない!」
「うるせぇな。だから準備進めてきただろ」
眉間にシワを寄せたまま、エルが吐き捨てるように言う。
…オレたちは、リエラが生け贄になると決まったあとすぐに、行動を開始した。
ユランに便りを出し、リエラがリオと入れ替われるよう、マントを作った。
ユランから、ここプレッタまでは、どんなに飛ばしても五日はかかる。
―――早くてもあと二日間、リオはあの森で過ごさなきゃならない。
「あとはユランからの応援を待つことと、村人に聞き込みでもして回るしかねぇ」
「…うん。それは、オレとリエラでやるよ」
オレの言葉に、エルが「は?」と言って顔をしかめる。
「エルは、リオの手助けに言ってあげて。最初からそのつもりだったんでしょ?」
「バカ言え。それはお前の仕事だ、アスティ」
予想外の返しをされ、オレは瞬きを繰り返す。


