まだお昼前だっていうのに、森の中は薄暗かった。
きっと夜中になれば、真っ暗で身動きがとれなくなる気がする。
「……さぁ、リエラ」
「………」
僅かに震える体を奮い立たせ、あたしは一歩、また一歩と足を進めた。
森の中へ足を踏み入れると、背後から扉を閉め、鍵をかける音が聞こえる。
思わず振り返ると、琥珀色の瞳と視線がぶつかった。
「―――――…」
必ず、助けると。
根拠はないけれど、そう瞳が言ってくれている気がした。
一瞬の不安や迷いが、信じられないくらいに消えていく。
…ほら、ね。やっぱりみんながいれば、あたしは大丈夫。
―――たぶんとか、きっとじゃなくて…絶対。
あたしは笑みを返すと、森の奥へと進んで行った。


