世界の果てに - 百年の光 -


幸いだったのは、あたしとリエラの背格好がほぼ変わらなかったということ。


あたしはそっと顔を覗かせたリエラにブイサインを向け、男の人を追いかけた。





長老たちに追い付くと、エルとアスティの視線がすぐにあたしに向く。


「…おや、あの娘さんはどうした?」


「腹痛を訴えたので、先にリエラを連れて来ました」


そのやり取りで入れ替わりが成功したと分かったのか、二人の表情が少し和らいだ。


「…そうか、ではリエラ。君を、我々の為に生け贄としてここに捧げる」


「………」


その勝手な言い分に、言い返したくなるのをぐっと堪える。


緊張から声が出ないフリをして、小さく頷いた。



目の前に広がる森は、安全の為か、それとも…生け贄が逃げないようにする為か。


三メートル以上はあるフェンスで、周りをぐるりと囲まれていた。


その一ヶ所が扉状になっていて、ギィと軋んだ音を立てて開かれる。