ほぼ無言で歩き続け、視界で遠くの森を捉え始めた頃。
あたしは再び行動に出る。
「あの…すみません」
長老を含む前を歩く村人たちに、出来るだけ下手に声を掛ける。
「この辺にお手洗いはありませんか…?」
一人の男の人が立ち止まり、少し道から外れた場所を指した。
「向こうにあるよ。案内しよう」
「あの、あたしも行っておきたいんですけど…」
リエラがそう言うと、男の人は眉をひそめつつ長老の指示を仰ぐ。
「…君がついて行きなさい。わしらは先に参るぞ。すぐに追い付くように」
「はい」
男の人についていく直前に、視線でエルとアスティに合図を送る。
と、エルの口が言葉を発することなく動いた。
「………?」
え、何…『しっかりやれよアホ』?
唇の動きを追うと、けなされていることに気付いてイラッとした。


