換金作業の間、あたしとアスティは外で待っていた。
「…ねぇ、アスティ」
換金所の壁に寄りかかりながら、道端に咲いた花をいじっていたアスティの名前を呼ぶ。
「ん?」
「エルって、なんであんなに偉そうなの?」
真剣に訊いたつもりだったのに、アスティは声を上げて笑った。
「まあ、そこがエルのいいとこだよね」
「いいとこなの!?」
「うん。自分の意見がちゃんとあるから、周りに流されないし」
「…それって、融通利かないって言うんじゃない?」
「―――誰が何だって?」
ちょうどその時、エルが換金所から現れた。
じと、と睨まれ、あたしは思わず笑って誤魔化す。
「あ、お金どうだった?」
「…お前にはやらねぇぞ」
エルは鼻を鳴らすと、大きめの袋を上下に振った。
じゃらじゃらと、硬貨がぶつかる音が聞こえる。
その音から、だいぶお金があることが分かった。


