「勘違いすんな。お前に盗まれちゃたまんねぇからな」
「んな!?あたしが盗むわけないでしょ!?」
あたしの返答を無視して、エルはスタスタと換金所へ向かっていく。
「リオ、ごめんね。エルはきっと照れてるだけだから」
苦笑するアスティに、あたしは思わず口を尖らせた。
「も~、分かりづらい…!」
「あはは、本人に言ってあげて」
さあ行こうか、とアスティに促され、あたしたちはエルの後を追った。
小さな換金所に入ると、カウンター越しに老人が座っていた。
「おやまあ、いらっしゃい」
「これ」
エルは手に抱えていた荷物を、カウンターの上にドサッと置く。
「あと、あれも頼む」
エルの親指があたしたちを指し、その荷物を見た老人は目を丸くした。
「ほお…どうやってこんなに…」
「詮索はやめとけ。なるべく早く頼む」
エルの言葉に、老人は苦笑すると、小さく頷いた。


