換金所は、街の港寄りに、小さくポツンと立っていた。
もっと大きい、銀行みたいな建物を想像していたあたしは、驚いた。
エル曰く、
「ま、換金なんてヤバイとこから仕入れた品とかも扱うし。堂々とできるもんでもねぇよな」
…だそうで。
あたしたちは荷台を近くに置くと、荷物を運び始めた。
「わ、重っ…何入ってるの?これ」
小さい荷物を持ったつもりが、予想以上に重くて、あたしは眉をひそめた。
アスティが大きな荷物を軽々と持ち上げると、あたしの持つ荷物に目を向けた。
「あ、それ。多分一番重いかも」
「ええ?」
「銅とか、銀とか入ってるし」
銅とか…銀?
そういうのも換金するんだ…
「貸せ」
急に手が軽くなって、エルがあたしの荷物を持ってくれたことに気づく。
「あ…ありがとう」
驚いてお礼を言うと、エルはフンと鼻を鳴らした。


