「言ったよな?俺たちは盗賊だ、って」
「い、言ってたけど…」
何か、実感沸かなかったっていうか。
エルとアスティが、そんな悪いことをしてるイメージに結び付かなかったっていうか…。
もごもごと口を動かすあたしに、エルは「とりあえず、」と言って続けた。
「これらを換金しねぇと、俺たちの生活がかかってるってことだ」
「だねー。よし、換金所探しに行くよ、リオ」
エルとアスティは、当然のようにあたしを振り返った。
その意味を一拍置いて理解すると、あたしは口を開いた。
「…え?まさか、まだあたしがこの荷台を…」
引くの?と言い終わらないうちに、二人から答えが返ってきた。
「訊くまでもないだろ」
「頑張って、リオ」
「………」
盗賊っていうより、どこぞの貴族かって感じですよね。
あたしはため息をつくと、どこにあるかも分からない換金所を目指して、重たい荷台を引き始めた。


