―――――…
たくさんの建物、行き交う人々。
「わあ…街だあ…」
あたしたちはやっと、最初の街に辿り着いた。
「は。まんまの感想じゃねぇか」
「う、うるさいっ!」
相変わらずのエルの減らず口に、分かっていながらも反応してしまうあたし。
そんなあたしたちを、アスティが笑いながら見ている。
「仲良しだね。二人とも」
「はあ!?」
「どこが!?」
口を揃えて反論すると、アスティはまた笑う。
「まずは換金所行かなきゃだね。どこにあるかな」
「適当に歩いてりゃ、そのうち見つかるだろ」
辺りに視線を走らせる二人を見て、あたしは首を傾げた。
「…換金所?」
って、物をお金に変える場所だよね?
アスティは荷台の荷物に視線を移すと、「うん」と頷いた。
「盗んだ品を、お金に換えないと」
「ぬ、盗んだ…!?」
驚いて声を上げると、エルがバカにしたように笑った。


