エルだって、アスティのことを信頼してるのに、あたしがしなくてどうするの。
きっと今回のことは、願ってもない機会なんだ。
だって…あたしに関する情報が、きっと手に入るから。
「……よし!」
そう思えば、何だかやる気が出てきた。
この国であたしが出来ることは、信じて待っていることだけだけど。
それでも、あれこれ悩むよりは何倍もマシだと思う。
ふと、扉に視線を向ける。
向かいの部屋にいるエルは、今頃何を考えているんだろう。
「って…何であたしが、エルのこと考えなきゃいけないの」
いつの間にか、自分の心配よりエルを気にかけていたことに気付き、頭を振る。
エルの態度が変わったから、何だかあたしまでおかしくなった。
ふぅ、と落ち着くために息を吐くと、扉を叩く音が響いた。
「……エル?」
返事がないことを不審に思いながらも、あたしはベッドを降りて扉に向かう。
「ちょっとエル、どうかし―――」
言葉が、途切れた。
開いた扉の先に見えたのは―――エルじゃない誰かの、不気味な笑みだった。


