今は異空間にいないという事実に、落ち着きを取り戻してきたあたしは、ふとあることに気付く。
「…え?ここ、荷台?」
ガタンゴトンと不規則に揺れながら、近くにある荷物も揺れる。
その荷台を引くのは、純白の毛並みが輝くクリスだった。
「クリス!良かった、無事で!」
思わず話しかけると、クリスが僅かに振り向く。
『リオさんも、お元気そうで何よりです。ニ日間も眠っていたので、心配でしたが…』
「ニ日間!?」
素っ頓狂な声を上げるあたしに、エルが「うるっせぇ」と眉をひそめた。
いやいやだって、二日間も寝てたのあたし!?
「ええ、何で…!ティアラと話してたのは一瞬だし…っ、ああもう、肝心なこと聞けなかったし!」
頭を抱えて唸ると、盛大なため息が聞こえた。
と、次の瞬間。
「一人で何言ってんだ頭大丈夫か説明しろアホ」
「いいいい、いひゃいっ!」
「エル、仮にもケガ人なんだから、優しくね」
仮にもって、ひどいアスティ!
思いっきり頬引っ張られてるんですけど!?


