急激に、目眩に襲われる。
あたしが辿る運命を、五十年前に辿った人。
その人物が今、目の前にいる―――?
「…今回呼んだのは、他でもない、その件についてよ」
悲しげだった表情は、すぐに真剣さを帯びて変わる。
思わず背筋を伸ばすと、ティアラが形のいい唇を動かした。
「…リオ。貴女は、生け贄になんかならなくて済む方法があるわ」
あたしと同じ、黒い瞳。
そこに映る自分が、驚いているのが分かった。
「生け贄、に…ならなくていいの…?」
ゆっくりと頷くティアラを見て、徐々に緊張感が解けていく。
込み上げてくるのは、なんとも言えない安心感と、涙だった。
「良かった…あたし…っ」
「安心するのは、まだ早いわ」
ティアラの言葉に、あたしは黙って鼻を啜る。
「その為には、毎回裏で手を引いている首謀者を倒さなきゃいけないの」
「首謀者、って…?」
ティアラはずいっ、と顔をあたしに寄せると、真剣な面持ちのまま口を開いた。
「その人物の名前は―――――」


