気持ち良さそうに寝ているちびっこを、ため息をつきながら抱き上げる。
自分で歩けと叩き起こしたくなる気持ちを、ぐっと堪えた。
一応ケガ人、ケガ人。
「さっさと帰ってクリス連れて先に進むぞ」
「了解、キャプテン」
おどけたように敬礼をするアスティに、思わず笑う。
本当、コイツには敵わない。
「…つーか、どうしてここが分かったんだよ」
イーズたちに続いて帰路を辿りながら、前を歩くアスティに問い掛ける。
「ああ、イーズとケルンがもともと場所を知ってたんだよ。まぁ、馬車の車輪の跡だけでも辿り着けたけどね」
ホラ、とアスティが指差す先には、車輪の跡。
冷静な判断に、さすが王族の息子、と言いたくなる。
それが関係あるのかは分からないけど。俺だったら気付けないかもしれない。
「…リオは、エルを庇ったの?」
その問いにドキリとしながらも、俺は頷く。
「余計なお世話だよな」
「ははっ。素直じゃないね、エル」
アスティに蹴りを入れてから、ちびっこに視線を向けた。
心の中で、そっと謝罪をする。
―――もう、こんな目にあわせねぇから。


