小さな、キラリと輝く何か。
それは―――…
「探してたの、これだよね」
カチャリと小さな音を立て、手錠が簡単に外れる。
アスティが持っていたのは、あたしとエルが欲しがっていた…手錠の、鍵。
「なっ…、どうしたんだよこの鍵!」
「え。…拾った」
「はあ!?」
自由になった右手で、ダラリとぶら下がった手錠を持つエル。
その頭の上には、あたしと同じように疑問符が浮かんでいる。
「とにかく…リオを運ばなくちゃ」
アスティはあたしの顔を覗き込むと、心配そうに眉を寄せる。
「もうちょっと、我慢できる?」
「…うん…平気」
ニコッと笑ってみせると、アスティも僅かに微笑む。
「よっしゃ、行くぞ」
気合いの入ったエルの声が聞こえたかと思えば、あたしの身体は宙に浮いていた。
その事態を呑み込むのに、少なからず時間がかかる。
「ぬ…え、!?」
「あん?何言ってんだお前」
変な声を上げれば、エルが顔をしかめた。


