隣に座るエルをちらりと見ると、自然とため息が零れた。
あーあ、繋がったのがアスティだったら良かったのに…。
「オイコラ、何ため息ついてんだよ」
「…別に。この先が不安になっただけですー」
眉を吊り上げるエルから、顔を逸らす。
「アスティとクリス、大丈夫かなぁ…」
右手で膝を抱き寄せ、あたしはポツリと呟いた。
っていうか、ここを逃げ出したとして、二人にどうやって会えばいいんだろう?
「あいつらは大丈夫だろ。他人の前に自分の心配しろ」
…それは、アスティを信頼してるから出た言葉。
分かってる。アスティは、あたしの何百倍、何千倍も強いってことぐらい。
分かってるのに…少しだけ、胸が痛んだ。
「…どーせ、あたしは弱いですよ」
口から漏れたのは、皮肉だった。
隣のエルから反応はなくて、気になっても、怖くて顔を上げることができない。
―――最悪だ。
重苦しい沈黙に、ただあたしは床を見つめていた。
「……くくっ」
…暫くして聞こえたのは、押し殺したような笑い声だった。


