おじさんはケースと一枚の紙切れを抱え、怯えた表情で近付いて来た。
「か、確認しろ!」
抱えるものをケルンさんに押し付け、そう吐き捨てる。
ケルンさんはまず紙に書かれた文字を読み、ケースを開けた。
そこには、驚くような数の硬貨が輝いていた。
「………!確かに、確認した」
一瞬目を見張ると、ケルンさんはすぐにそう答えた。
おじさんはフンと鼻を鳴らすと、あたしとエルに視線を向ける。
「…ついて来い!」
ドスンドスンと地面を踏みしめながら、おじさんが小屋の方へ向かって行く。
あたしはイーズくんとケルンさんを見てから、隣のエルを見上げる。
「…行くか」
面倒くさそうにそう言ったエルは、いつもと変わらなかった。
それだけのことに安心して、あたしは頷く。
おじさんに着いて行くと、小屋の脇に馬車が止まっていて、そこの荷台に詰め込まれた。
…そして、今に至る。
馬車が目的地に着いて、人混みに紛れられそうなところに出たら、逃げ出そうっていうのが作戦。
そんなに上手くいくとも思えないけど…エルには絶対の自信があるらしい。
あたしと手が繋がってるから、実力行使とかは無理そうなのに…。


