「…こっちだよ、ケルン!」
男の子がそう言うや否や、岩の陰から誰かが現れた。
金髪にバンダナを巻いた、長身の男の人だった。
「こいつら起きたのか。大丈夫だったか?」
その緑色の瞳をあたしたちに向けると、男の子に訊ねた。
「へーき。威勢はいいけど。ところでケルン、そっちは?」
「…それが、断られた」
「またぁ!?…ったくいい加減にしろよ、あのハゲ親父!」
男の子はイライラしながら、地面を蹴る。
どうしよう。話の内容が、全然分からない。
「えっと…イーズ、くん?」
遠慮がちに訊ねてみると、イーズくんが目を丸くしてあたしを見た。
「何の話をしてるのか、教えて欲しいんだけ…痛!」
「アホかお前。敵と馴れ合ってどーすんだよ」
手錠に繋がれてない方の手で、エルがあたしの頭をバシッと叩く。
心底呆れたような表情をされて、あたしは言葉を詰まらせた。
「だ、だって…、エルはこれからどうなるのか、心配じゃないの?」
拐われたあたしたちが、このまま何もされずに解放されるなんて、有り得ないだろうし。
アスティとクリスだって、本当に無事かどうかは分からない。


