「何で、あたしたちは連れて来たの」
あたしの問いに、男の子は「んー」と言って、考えるような仕草を見せる。
「何でって言われても、それが仕事だからさ」
「仕事?」
「でも馬は持ち運べないし、こっちも人数不足でね。結局君たち二人しか運べなかったんだよ」
男の子は肩を竦めると、あたしとエルを繋ぐ手錠を見る。
「それだって、他の仲間が持ち出してるから、一個しかなくて。仕方なく二人一遍に繋いでるってわけ」
左手を動かすと、手錠がジャラ、と音を立てる。
すぐ隣で、エルが険しい顔をしていた。
「…てめぇら、人拐いか」
人、拐い?
聞き慣れない単語に眉をひそめると、男の子はアッサリと頷いた。
「そうだよ。前は普通の人狙ってたんだけどねー。最近は、賊を狙った方が食料とかも稼げるし、一石二鳥って気付いてね」
…つまり、誘拐みたいなものなのかな。
だとしたらあたしたちは、これから一体どうなるの?
「―――イーズ!」
低い声が、突然洞窟内に木霊した。
その声に反応するように、男の子の肩がピクリとうごく。


