………‥‥
この世界の未来を担う、三人の少年少女の後ろ姿を、バルコニーから見守る人物がいた。
「…行ってしまいましたね」
ポツリと寂しそうに呟いたのは、メルティアス国の城に仕える大臣。
その大臣の言葉に、隣の車椅子に腰掛ける人物は微笑んだ。
「…そうだな。チェディ」
「私より、ノーバス国王様が説明なさった方が、良かったのではないですか?」
チェディは恨めしげに自分が仕える国王を見ると、また視線を外へと戻した。
「私なんかよりずっと、彼らの力になれたのでは…」
「いや、チェディ。…私が話したとしても、何も変わりはしないよ」
チェディの視線を追うように、ノーバスも自分の息子を見る。
「…運命とは、皮肉なものだな」
苦い顔をするノーバスに、チェディは何も言えなかった。
本当に、運命とは残酷なものだ。
彼らのような子供に、世界の行方を握らせるなんて。
「…アスティがあの子と一緒に国を出たとき、このようになる気がしてはいた」
「…?では貴方は、エルくんがあの方の子だと…」
「ああ。何となくだが、分かっていた」
ノーバスは口元に笑みを浮かべると、アスティの隣を歩く少年を見る。


