目を見開いて固まったままのあたしに、畳み掛けるようにエルが口を開く。
「さっき、お前は自分が不幸だって言ったよな。俺たちとの出会いも、そうだと思うのかよ」
「………っ」
「俺たちが歩む世界を、一緒に見たいって言ったのも、嘘だったのか?」
「………違うっ…!」
必死に絞り出した言葉は、否定の言葉。
確かに最初は、最悪の出会いだと思った。そして、最高の出会いだとも。
二人に出会わなければ、あたしはここまで一人で辿り着けたのか。
…そんなの、無理に決まってる。
「エルとアスティに出会えたのが、不幸だなんて思ったこと…一度もない!」
何度も救われて。何度も励まされて。
泣いた数を上回る程の、笑顔があった。
「一緒の世界を見たいって…、本気で思ったよ!思ったけどっ…!」
目頭がじわりと熱くなったのを感じて、あたしは唇を噛みしめる。
―――泣くな。
泣くな、泣くなっ…
「我慢すんな、アホ」
エルに頭を掴まれ、気付けばあたしは、エルの胸の中にいた。
規則的に響く心臓の音が、余計に涙を誘う。
「泣きたきゃ泣け。喚きたきゃ喚け」
「…っ、何で、命令っ…」
反論しようと思ったけど、無理だった。


