心配そうにあたしを見つめるアスティに、笑顔を向けた。
泣いちゃ、だめなんだ。
泣いたって、運命は変わらない。迷惑をかけるだけ。
「―――今まで、ありがとう」
情けないほど、震えた声。
それでも笑顔を崩さず言った言葉に、これでいいんだと言い聞かせた。
―――けど。
「…ふざけんなよ」
怒りが含まれた、唸るような声があたしに向けられた。
鋭く光るエルの瞳に捉えられないように、僅かに視線をずらす。
「ふざけて、ないよ」
「ふざけてんだろ。勝手に決めんな」
「だって、しょうがないじゃん…!」
分かってくれないエルに、あたしは声を張り上げる。
どうしてすんなり、分かったって言ってくれないの。
「あたしは、自分の道を選べないの。決まってるの。もう、二人を巻き込めない…!」
絞り出したような声で、あたしはエルに訴える。
あたしが今、立っているのは、一本道だ。
しかも、一歩でも踏み外せば奈落の底に落ちるような、そんな道。


