「とりあえず…あたしが呼ばれたってことは、今この世界がピンチってことですよね?」
なんとか頭をフル回転させて、それだけは確実に分かった。
チェディさんが頷くのを確認すると、あたしは再び口を開く。
「じゃああたしは、どうすればこの世界を救えるんですか?…みんな、どうやって救ったんですか?」
一番重要なのは、これだと思った。
この世界がピンチで、救えるのがあたしなら、早く行動しなきゃ。
そんな重大な役目を預かったって知ってたら、最初のあの"声"に、大人しく従ったのに…。
あたしの問いに、チェディさんは黙ってしまった。
その表情は、決して良いとは言えない。
「もしかして…すごく難しいんですか?」
物凄く強いモンスターを倒せとか、そんな感じだったりしたらどうしよう。
恐る恐る訊ねるあたしに、チェディさんは躊躇っているのか、なかなか口を開かない。
「チェディ?どうしたの?」
心配そうなアスティを見てから、チェディさんはあたしを見る。
そしてやっと、その重たい口を開いた。
「…異世界から呼ばれた人間は、特別な力があるわけではありません」
「はい」
「この世界を救う為に、特別な何かをするわけでもありません」
「え…?」
そこであたしは、眉をひそめた。


