エルの態度を見たリオは、慌てて床に膝をつく。


何故か両膝をついた不格好な体勢で、リオは口を開いた。


「わたしにも、お任せくださいっ!」


父さんは、優しい瞳をリオに向け、微笑んだ。


…オレはやっぱり、幸せ者だ。


いろんな人に支えられて、助けられて。


今度は、オレが誰かの力にならなくちゃ。


「チェディ」


和やかな空気が部屋を包む中、オレはチェディを呼んだ。


チェディは軽く返事をすると、オレが言いたいことが分かったのか、リオをちらりと見た。


「…リオ様の、お話の件ですね?」


「うん。このあと、いいかな」


「畏まりました。場所を移してから、お話をお伺いしましょう」


チェディは父さんに、ユランの医師がもう既にこの国に向かっていることを告げると、頭を下げた。


「では、失礼致します。みなさん、こちらへ」


チェディのあとに続いて、オレ、エル、リオは部屋を出た。


デューイは父さんの世話をすると言って、残った。


「ねぇ、アスティ。あたしの話って…」


「うん。チェディに相談しよう」


可能性を胸に秘め、オレたちはチェディの部屋に足を踏み入れた。