「助けを求めれば、誰でも助けてくれると思ってんのか?」
「………っ、」
「得体の知れない人間を、危険を犯してまで助けろって?」
何も、言い返せない。
エルの言ってることは…正しいから。
あたしが何も言えずにいると、エルは顔だけ振り返って、口を開いた。
「―――悪いが、俺たちは盗賊なんだ。正義の味方じゃない」
エルはそれ以上何も言わず、黙って去って行った。
その後を追うように、アスティが立ち上がる。
「…ごめんね、リオ」
アスティは困ったようにそう言うと、あたしの横をすり抜けて行った。
あたしはまた…独りぼっち。
泣きたいのに、今度は涙が出なかった。
絶望、って言葉が、今の気持ちにはピッタリな気がする。
「…あはは…」
あたしの乾いた笑い声が、虚しく響いた。
本当、バカだな。
もう、どうすればいいか分からないよ―――…


