狭い路地を曲がると、その場にしゃがみこむ。
肩で息を切らしながら、盗んだばかりの骨董品に目を移した。
「………」
盗賊というこの道は、俺の生きるためにある道だ。
それは、身を持って分かってる。…分かってるのに。
―――何でアスティの生活を、羨ましいなんて思うんだ?
「………くそっ…!」
俺はアイツじゃない。
アイツと俺は、生きる道が違うんだ。
ぎゅっと思いきり目を瞑る。
左目の傷の痛みを確かめるように、俺は暫くその場で佇んでいた。
―――誰かに、見られていたとも知らずに。
「……エル!」
翌晩。俺の姿を見つけると、アスティはベランダの手すりから身を乗り出した。
心配そうなその表情に、胸が痛む。
「…よ。一日ぶり」
「良かった。来てくれて…心配した」
いつもの木の枝に座る俺に、ホッとしたようにため息をつく。


