世界の果てに - 百年の光 -


そして突然、あたしの腕が引っ張られた。


「え!?」


びっくりして顔を上げると、あたしの腕を引っ張ったのはエルだった。


「わあ、エルだいたーん」


「黙れアスティ!…おいちびっこ、ブレスレット見せろ」


…莉緒って名乗ったのに。


そう思いながらも、あたしは渋々とブレスレットを外そうとした。


「…あれ?」


ブレスレットが、外れない。


その事実に顔をしかめると、エルが呟いた。


「やっぱな。それ、強力な魔術がかけられてる」


「…魔術!?」


何でそんなものが、日本に…?


「つまり、その魔術をかけたやつは、ブレスレットをつけた誰かがこの世界に来るように仕向けたってことだな」


「へーえ。何でだろうね」


「俺が知るかよ」


エルとアスティの会話のやりとりには加わらず、あたしはその意味を考えた。


あたしを、この世界に呼んだ意味…。