あんぐりと口を開けている俺なんてお構い無しに、アスティが紹介を始める。
「俺の友達の、エルだよ。エル、俺の弟のデューイに、大臣のチェディ。それから…父さん」
「………どうも」
あまりの驚きに、俺はそれしか言えなかった。
まさか勢揃いで出迎えられるなんて、思ってもみなかった。
「じゃあエル、行こっか」
どこに、と訊く暇もなく、アスティは俺の腕を掴んで走り出した。
暫くして辿り着いたのは、大きな庭。
「どう?オレの、お気に入りの場所なんだ」
たくさんの緑に、鮮やかな色とりどりの花。
ここの空間だけ、流れる時間や空気が違う気がした。
「…すげぇ」
ポツリと呟くと、アスティは満足そうに微笑み、近くのベンチに腰掛けた。
「エル、今日は何を話そっか」
結局、いつもと同じじゃん。そう思いながら、俺は苦笑した。
けれど、いつもより楽しそうなアスティの表情に、今日は特別なんだと少しずつ実感していく。
それから、他愛ない会話をして過ごした。
デューイも混ざって剣士ごっこをしたり(近くを通ったチェディに怒られた)、夕食に招かれて、今まで食べたことのない料理を食べたり。


