俺はため息をつくと、未だ首を傾げているアスティを見た。
きっとコイツは…深く考えずに誘ってるんだろうな。
「……分かった」
短くそう答えると、アスティはにっこりと笑った。
盗賊だとバラしていない今、断る理由は俺にはない。
…なんて、無理矢理な理由をこじつけてるだけかもしれないが。
「楽しみにしてるね」
俺はフッと笑うと、そう言ったアスティの頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
翌日。
まだ太陽が輝いている真っ昼間、俺は堂々と正面玄関から城へと足を踏み入れた。
事前にアスティが伝えていたのか、門番は俺の名前を聞くとすんなりと道を開けた。
―――――が。
「いらっしゃい、エル」
俺は目の前の光景を見て、言葉を失った。
笑顔のアスティ横に、ちびっこアスティ、さらにその横に、顎髭を生やしたマントを着た老人。
そして―――
「ようこそ、我が城へ。ゆっくりしていってくれ」
国王って……マジか。


