肩を揺らしてまだ笑っているアスティが、俺を見ながら口を開いた。
「…ねぇ、エル」
「あ?」
「明日、家においでよ」
―――――…はあ?
サラリと口にされた言葉に、俺は絶句した。
そんな俺を気にもせず、アスティは続ける。
「ちょうど明日ね、稽古が休みなんだ。だから、エル…」
「ちょ、ちょっと待て!」
嬉しそうに話すアスティの言葉を、俺は慌てて遮る。
どうしたの?とでも言いたげなその瞳を、キッと睨んだ。
「お前なぁ、普通のテンションで家来る?みたいなノリやめろよ」
「…何で?」
「何でって…お前んち、城だろ!?」
そう。アスティの家は、城だ。
この国のシンボルでもある、この城。
誘われて、はいそーですか、なんて易々と足を踏み入れる場所じゃない。
「そうだけど…ダメなの?」
特に…盗賊である、俺は。


