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一通り話し終えたあたしは、アスティがくれたハンカチで涙を拭った。
ボロボロのハンカチだったけど、今のあたしには何よりも嬉しかった。
「…つまり、何だ」
オレンジの髪の少年…エルは、あたしの話を聞き終えて、眉を寄せた。
「お前はこの世界の人間じゃない、と」
「…うん」
「そのブレスレットをつけたら変な空間にいて、誰かの声につられたら落っこちて…」
「…オレの上に降ってきた」
エルの言葉をアスティが受け継ぎ、あたしは二人を見て頷いた。
「マジかよ…」
エルはため息をつくと、オレンジ色の頭を乱暴に掻いた。
「信じて…もらえないよね」
あたしは瞳を伏せると、そう言った。
こんな話、信じろって言われる方が難しい。
「ま、確かに変な話だよね」
アスティの言葉に、エルは「変な話ねぇ…」と納得いかないような声を上げた。


