世界の果てに - 百年の光 -


………‥‥


全てが、懐かしかった。


八年前、オレがこの城を出たときと、何も変わらない。



ゆっくりと城内を流れる時間、窓から見える素晴らしい景色。


少しだけ変わったことと言えば、知らない門番がいたことと…チェディやデューイの、見た目が変わっていたこと。


「チェディ…白髪増えたね」


「それはそうです。私も歳ですから」


正直な感想を述べると、チェディは苦笑した。


あ、シワも増えてる。


あんなに小さかったデューイは…


「…あれ?デューイ?」


振り返ると、後ろにいると思っていたデューイと、リオまでもがいなかった。


不審に思い、来た道を戻ろうとすると、


「どうしたの、兄様?」


平然な顔をしたデューイが、ひょっこりと現れた。


けど、リオの姿が見当たらない。


「デューイ、リオは?」


「リオはね、何か疲れちゃったらしいよ。だから、僕が小広間で休んでなって言ったんだ」


疲れ…か。


そういえばメルティアスに来るまでの二週間、ほとんど休んでなかったっけ。


リオにしては、とてもよく頑張ったんだと思う。


「…そっか。休ませてあげよう」


そう言うと、オレは再び歩き出した。