世界の果てに - 百年の光 -


そんな仕草までもが、アスティにそっくりだった。


「莉緒です。デューイくんのお兄さんとは、一緒に旅をしてるの」


そう言うと、デューイくんは何かに気付いたように部屋を見渡した。


「どうしたの、デューイ」


「…兄様、エルはいないの?」


デューイくんの口から、エルの名前が出たことに驚いた。


同時に、チェディさんの表情が少し強張る。


「うん。エルはお留守番してるんだ」


「ふーん。そっか…よろしく、リオ」


デューイくんは、笑顔であたしを振り返る。


「うん…よろしくね」


何故か、その笑顔に少しだけ違和感を感じた。


その違和感の正体を確かめる前に、チェディさんの咳払いが響く。


「では、みなさんで行きましょう。…国王様のもとへ」


チェディさんに続いて、あたしたちは部屋を出た。


アスティのお父さん…一国の王に会うんだと思うと、緊張に襲われた。


っていうか、家族水入らずのところに、あたしがお邪魔していいのかな…?



そんな考えが頭を回ってるうちに、チェディさんとアスティは先に進んでいた。


「あ、待っ…」


「リオ」


慌てて追いかけようとすると、名前を呼ばれる。