世界の果てに - 百年の光 -


「ね、兄様!もうずっと一緒なんだよね?」


無邪気なその問いに、アスティは一瞬黙ってしまった。


躊躇うように、ゆっくりと口を開く。


「…ごめん、デューイ。帰って来たわけじゃないんだ」


「え?」


「父さんが心配で、様子を見に来ただけなんだよ」


あからさまにショックを受けたデューイくんの表情に、胸が痛んだ。


きっと、デューイくんはアスティが大好きなんだ。


八年振りに帰って来たんだから、きっとずっといると思ったのかもしれない。


「…そっか」


そう呟くと、デューイくんは俯いた。


アスティは顔を歪ませて、そんなデューイくんを見る。


「デューイ、オレはすぐに帰るわけじゃないよ。あとで、ゆっくり話そう」


その言葉に、デューイくんは弾けるように顔を上げた。


「本当!?」


「うん。…いいかな、リオ」


急に同意を求められて驚いたけど、あたしはすぐに笑顔で頷く。


デューイくんとアスティの嬉しそうな顔を見たら、ダメなんて言えないよ。


「兄様、この人は誰?」


あたしに気付いたデューイくんが、首を傾げた。