―――――…‥
「異世界から来た…とな?」
再び訪れた、長老の家。
あたしのとても壮大な悩みを打ち明けると、長老の眉毛がピクリと動いた。
「はい…それで、元の世界に戻れる方法は何か知らないかなぁと…」
ちらりと長老を見ると、うむむ、と唸っていた。
「異世界…過去に記された文献に、そのような表記がされていたのを目にしたことはある」
「本当!?」
ぱあっと顔を輝かせたあたしとは裏腹に、長老の表情はどこか暗い。
「…しかし、来たことは書かれていても、帰ったことについては書かれていないのじゃよ」
「え…?」
ざわ、と嫌な胸騒ぎがした。
帰ったことが書かれていないなんて…それじゃあまるで…
「…誰も帰れなかったってことか?」
あたしの気持ちを言葉に表したのは、エルだった。
隣にいるエルを見ると、その視線は真っ直ぐと長老に向けられている。
「…それは分からぬ。ただ単に、記さなかっただけかもしれぬ」
ため息をつきながら、長老は「難しいのう」と呟いた。
あたしの心は、まだざわざわと音を立てている。


