うう、と悔しがるあたしに、長老は笑いながらも口を開いた。
「簡単に説明しようかの」
「…お願いしマス…」
「うむ。まず姫という存在じゃが、この髪飾りが決めてくれるのじゃ」
長老は、髪飾りを再びあたしの手に戻した。
「今、何も変化はないじゃろう?じゃが、髪飾りに選ばれし者が触れれば、たちまち輝きを放つのじゃ」
「選ばれし者…」
その単語に、どくんと心臓が跳ねる。
長老はあたしの様子に気づかないまま、説明を続けた。
「髪飾りに選ばれし者が姫となり、その髪飾りを身に付けている間、不思議な力を使うことができるのじゃ」
「…不思議な、力…」
「そうじゃ。作物を実らせたり、天候を操れたり…我々には神のような能力じゃ」
無意識に、ブレスレットに視線が移る。
あたしは、本当に選ばれし者なのかな…
「じゃが困ったことに、サムエットの娘…メルティは、力を使うことを拒み始めたのじゃよ」
長老のため息で、あたしは視線を上げた。
すると、エルの琥珀色の瞳がじっとあたしを捉えていることに気づく。
「…そ、それでどうなったの?」
心を見透かされそうな気がして、あたしは慌ててエルから視線を逸らし、長老に訊ねた。


