「私たちは、人間からしてみたら未知の生物だった。興味を持つ者も少なくない」
苦しそうな表情のサムエットさんの言葉を、長老が受け継ぐ。
「…悪く言えば実験台のようなものじゃ。我々は、時にそういう扱いを受けた」
何て声をかけたらいいのか、分からなかった。
ただあたしたちは、黙って話を聞いていた。
「外界に対する…特に人間に対する不信感は、日に日に募ってきておった。そして我々は、再び殻に閉じ籠るという道を選んだのじゃ」
そっか…だから。
だから子供たちは、あたしたち人間を見るのが珍しいんだ。
「で?そこに髪飾りはどう関係してくるんだ?」
こんな大切な話のときだっていうのに、エルは偉そうな態度でそう訊ねる。
サムエットさんは不機嫌そうに眉をひそめ、長老は苦笑した。
「娘や、髪飾りを貸してくれんかの?」
「あ、はいっ」
あたしは慌ててポケットから髪飾りを取り出すと、長老の手に預けた。
小さかったはずの髪飾りは、両手で持つほどの大きさに変わっていた。
その髪飾りを、長老は微笑みながら見つめる。
「この髪飾りは…小人族の秘宝なのじゃよ」
―――秘宝…?


