不自然な雲の中には人間と天使がいた
「…どうやらまじないは解けたみたいだな」
「そのようですね…。あの二つの魂からは同じ波動を感じました」
人間は綿菓子を天使に差し出す
「…相変わらず食べ物が好きだな」
「ええ」
「…あの男女の魂は一緒に還れただろうか」
「望みは叶っています。ずっと一緒にいたいという願いは。…たとえその場所が地獄だとしても」
人間は悲しそうに笑う
しかるべき場所へ還った魂達のまじないは
絶対に犯してはならない
禁忌のまじない
それでも幸せになれるというなら
魔法使いは喜んで手を差し延べるだろう
深い深い森の中
暗い暗い海の底
広い広い空の上
金木犀の香につられて
指先の幸せをお手伝い
探せば消えて
望めば鍵が
ホグミルズ4丁目
神出鬼没なおまじない屋には
ひとりの魔法使いが住んでいる
<禁忌のおまじない-End->
