一つの傘に二人の男女。
私の隣には…流華。
何か、変な感じ。
だって、いつも見てるだけの存在だったから。
「さくらってさぁ〜モテるよな!?」
黙っていた私に流華が話しかけてきた。
『え…モテないですよ。』
「そぉ?三年生でも、さくらの事可愛いって言ってる奴いるよ?」
『あ…そうなんですか。』
私は話しを続ける事ができなかった。
流華も、黙ってしまった。
『流…流華先輩って、写真撮るの好きなんですか?』
どうにか、会話を続けようと私は話した。
「うん!めっちゃ好き!」
照れ臭そうに流華が笑う。
私の鼓動はまた早くなる…
『す…凄いですよね!!どんな写真撮るんですか?』
「ん〜俺は主に風景を撮るかな……。綺麗だなって思ったものしか撮らないよ。」
『そうなんですか…。』
「だから人を撮ったのは、さくらが初めて。」
『え…』
胸のドキドキが止まらない…
「綺麗だと、思ったから。」
流華がちょうどそう言った時に、駅に着いた。
『あ、あの、私、ここなんで!えっ…とあ、ありがとうございました。』
「うん。」
『さ、さよなら。』
私は、頭を下げて駅に走った。

