提出物を終わらせ、帰ろうとした。

しかし、私はある事に気付いた。

私は傘を持ってきてなかった。

雨がやむ様子はない。
むしろ、強くなる一方だった。


濡れて帰ろうかなぁ。
でも、風邪引きたくないしなぁ。





そんな事を考えている私の隣に誰かが来た。




「あ!さくら。」

隣にいたのは……

流華だった。

「帰らないの?」

不思議そうに流華が聞いてくる。

『あっ…傘忘れちゃって。』

苦笑いの私。

「多分やまないよ?雨。」

『ですよね…』

「俺、傘あるから。一緒に帰ろうよ?」

『…で、でも悪いんで…いいです。』

慌てて私は否定した。

「いいから。」


そう言って、流華は私の肩を引き寄せた。

「それに…二人で帰る方が楽しいでしょ。」

『あ…うん。』

流華に触れられた肩が、熱を帯びて私の鼓動を早くさせる。