あれから私は自然と流華の事を目で追うようになっていた。





「ねぇ、さくら、伊藤先輩のこと好きなの?」

ある日の放課後、
舞と百合と教室で話していると急に舞が私に言ってきた。

『え!?好きじゃないよっ!』

私は必死になって否定する。

「そこまで否定しなくても……。」

百合が言う。

「伊藤先輩ってさぁ、凄い人らしいよ。」

『何が?』

舞の話に、私は食いつく。

「なんか…写真撮るの好きで、コンテストとかでも優勝したりしてるんだって。」

『そうなんだぁ。』


言われてみれば、流華はいつもカメラを首に提げていた。

写真撮るのが好きなんだな、とは思っていたけど…

そんなに凄い人だとは思わなかった。