楽々荘の住人十色

深くため息をついた。

僕が年上の女性を苦手にする原因が彼女にあると思うと億劫だ。

「廉、今から出掛けるんだけど10時までには帰るから鍵とチェーン閉めないで」

廉の表情は呆れてる。

もちろん、廉も早苗さんの存在は知ってる。
そして、俺が暇つぶしに持て遊ばれてる事も。

「気を付けろよ」

意味深な廉の言葉をゴクりと飲み込んで公園近くのホテルへ向かった。

部屋番号は1103号