約束の日
あたしの心臓は
朝から
五月蠅い程に
動いていた。

「はぁ〜…緊張…」

午後7時
ノリくんとあたしの
地元の駐車場に
待ち合わせた。

あたしは
一人は心細くて
友達と30分ほど
待っていた。

友達にお茶をオゴリ
二人で話しながら…

ノリくんらしき
車があたしたちの
目に映り込む

あれかなあれかな!

二人で緊張がピークになる…

………♪〜♪

「あっ!」

おそるおそる
携帯を開いた

「着いたけどおる〜?
違うとこなんかな」

「…やっぱ」

やっぱりそうだった

「いるよ!外みてみて」

あたし達の
見つめる先に
男の人がキョロキョロ
周りを見る…

「キャ〜…緊張」

遠くから見た雰囲気は
いい感じ…

あたしは少しの間なのに見とれてた

その男の人が
こっちに歩いてくる

「うわっ来た」

友達と二人口を
揃えて言った

「美也?」

友達の後ろに隠れる
あたしを初めて聞く
声が優しく呼ぶ

「…ど〜も」

あたしは小さい声で
挨拶をした。

「じぁ〜ね」
「うんっ…」

「頑張れ」

友達が小声で云う
「うん…」
あたしも小声で答えた


「じゃ〜乗って…」

「あ〜…はい…」

あたしはドアに
手をかけ
彼の車に乗り込んだ

車に広がる
彼の香り…

愛しい。
すぐにわかった


「夜景を観にいこう」

ノリくんは言う

カーナビで道を
検索してる

「あ…」

車の中であたしの
嫌いなアーティストが
流れてる…

雅が好きだった
歌声…

「好きなの?」

「うん…好きかな」

「あたし嫌いやわ」

「なんで?」

「元彼が好きやったから」

貴方は黙った
元彼の話はタブーだってわかってるのに

話さずには
居られなかった…


「変えよか…」

ノリくんが
云った

「えっ!いいよ」

「いやいや…変えよ」

「変えたいん?」

つい聞いてしまった


「あっ?」

…ごめんなさい…

気分を害したかな…