俺が向かったのは保健室。
案の定、先生はいなかった。
「こっち座れ」
ベッドに麻由を座らせて、保健室の鍵を閉める。
「…っ…っぐす…」
ただ無言で泣いている麻由を見て、思わず抱きしめてしまった。
しばらくの沈黙の後、先に口を開いたのは麻由だった。
「悠斗…っ」
その言葉にはっとして、麻由を抱きしめていた腕を離した。
「悪りぃ…」
何やってるんだ、俺は。
「…んで」
「は?」
「なんで…謝るの?」
悲しそうに下を向きながらつぶやく。
なんでってそんなの。
決まってんだろ?
うるうると目に涙を溜めている。
“俺のこと好き?”
“うん、好きだよ”
騙されない。
俺はもう…騙されない。

