「べ…別に?行こ、麻由」

麻由の手を引っ張りながら教室へと向かう。



「おい」

「きゃ!」

そんな行動でさえ軽く、椎名くんによって遮られてしまう。


椎名くんがジッとあたしの顔を見てくる。
なにも言わずに、ずっと見てくる。


「な…なに?」

「お前…」

心臓がドキドキうるさい!

少しずつ椎名くんの整った顔が近づいてくる。


ち…近い。

「こんなとこに米粒ついてるぞ?」

「…なぁ!」


真っ赤だった顔がもっと真っ赤になってしまった。