タカヒロ、という。 春 この大学に入学してすぐの頃にできた、あたしの彼氏。 特別かっこいいわけでもなく、だからといってモテないわけでもない。 法学部の 将来は弁護士になりたいそうだ。 彼の、あたしを呼ぶ声がすき。 優しく頭を撫でる 下がる目尻を愛しく想う。 じめっと汗が滲む。 ベッドで一定のリズムの寝息をたてながら眠る 彼の髪をそっと撫でた。