命の花

「そうでもないご様子でしたよ。私なぞよりもよほど、早く御崩御なさいましたので」

「そう言えばそうだった」

 ロージリールは目尻をこすって赤い眼を伏せた。

「ここで水鏡をかき乱して、何を知りたかったのですか。何を……見たくなかったのか」

「いや……そういえば……父王は何の未練もなくみまかったのか、とな」