命の花

 こともなげに答えるイグニス。

「父は……王はなんと仰ったのか」

「めでたし、と」

「それだけか」

「全部は……忘れました」

「息子一人の命くらい、なんでもない、と言うことか」

 彼は天を仰いで星空を睨んだ。