命の花

 容姿がかわいいの、一歩退いて観察しているのクールビューティなのやんちゃそうなの、おなかを減らせて落ち着かないの、かりかり爪を噛んでるの、やけに色っぽいの、腹に一物ある感じの、切れ上がった目のやら、いっぱいいる。

「悪いけれど……そのたった一人が、ここにはいないようだ。遠慮する」

 するとほぼ全員がうれしそうに目を輝かせた。

「何だろうか」

 不思議そうにしていると、風精達は顔を見合わせた。