命の花

本当に気の毒なことに、一人、襟首を捕らえられた彼だけをおいて他の風精はことごとく散っていった。

 ロージリールは同情のあまり、不憫になり、彼を放した。

 その彼は思いっきりこう言った。

「ありがとう、ローズはやっぱり弱いものの味方だね!」

「どういう夢を見てるんだ! おまえ」

 ……などということがあった。

 彼のおつむは最初から心配なものだったが、そのあと、きっちり殴り倒され、同期の風精によって回収されたという。