エレベータを出てすぐの廊下を見て、思わず、





「おぉー…」



感嘆の声が出た。


なんせ想像を完全に裏切られたのだ。
てっきり真っ白な壁や床、天井なんだと思っていたが…




「綺麗…」





廊下には窓が一切なく、壁も床も天井も、全てが黒に塗りつぶされていた。

そして天井には、様々な色の小さな電球が星に見立てて取り付けられ、真っ暗な通路を優しい光が包んでいた。



「プラネタリウムみたい…」





「通路が真っ黒なのは、部屋の中の白がよく映えるようにするためなんじゃよ。」





そう管理人さんは言いながら、1208のA号室の部屋を開けた。



















「わぁー…」







さっきから感嘆符ばかりが出てくる。

でもしかたない、許してください。





だってドアを開けると、突き当る壁一面のほとんどを占める大きな窓と、その先に果てしなく広がる大海原が目に飛び込んできたのだから。